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阪神OBの掛布雅之さんと元中日監督で、野球評論家の落合博満さんの対談が、27日、深夜にMBSテレビ「ONE NUMBER」(関西ローカル、前1:29~)で放送されたようですが、新聞の報道内容を見ると、MBSラジオで放送されたものと同じ内容のようですから、そこで聞いたことをまとめてみました。
大山悠輔選手について
掛布さんは以前から大山を4番に固定して使い続けるべき、と主張していましたが、「大山が開幕から4番を打ちました。威張れる数字じゃないんですけれど、じゃあ他に誰かと言うといないんですよ」と話を向けると、落合さんも「だったら使い続けないといけないな。それで休ませたらいけない」と応じていました。
掛布さんは「僕は大山に背負わせたかったんですよ。ずっと言い続けたんですけどね。勝つにしても負けるにしても、大山の4番で優勝するのか、負けるのか。
それで、大山の次の野球が変わると思っていた」と語ると、落合氏も「代わりがいれば代える。いないなら代えない」と、ブレない起用の必要性を口にした。
さらに、監督として4番について「打順は4番から決める。4番が決まったら、あとは簡単に決まるから」と持論を展開。
「そこに3、5番を打ってるやつをいれちゃうと、他に考えないといけないことが出てくる。4 番ってのはスーパースターというか、全てを求められる打順だからね」と理想像を語った。
その上で、阪神の4番については「それから言うと、大山にそこを背負わせるのは、現時点ではキツい」としながらも、起用法について「4番目と考えればいい。そこでシーズンを戦っていって期待に応えてくれたら、お前が4番だという考えでいいんだよ」と説明。掛布氏も「なるほど、面白いな」とうなずいていた。
佐藤輝明選手について
落合さんは掛布さんから、佐藤輝について問われると「彼の場合はまだ1年目。あれ以上を期待する方がまだ無理でしょう」と評価。掛布氏も「頑張った、よくできましたですよね」とうなずいた。
そして「落合監督なら1年間使う場合、あそこまでフルに使い切りますか?いい時に休ませます?」と問うと、落合氏は「それ(休ませる)は考えないと思うな」と即答。
「ただ、見切り発車はしないよ。替わる選手がいるなら、そっちを使う」とも語った。
掛布さんが「後半あれだけ打てなくなると想像できなかった」と首をかしげると、落合氏は「それは打ち方だよ。あれだけ下からバットが出てくると、ちょっとしんどいものがあるね」と指摘した。
続けて「下からバットがくると、点でボールを捕まえることになる。線で捉えてない」と分析。
「直してもいいんだろうけど、それで彼の特徴がなくなるのが怖い」と不安も口にしたが、「1年目だから好きなボールを打たせていいというのは言えた思う。
日本でやるなら、ある程度上から下に振り下ろしてこないと」と、打撃フォーム修正の必要性を語った。
フライボール革命について
二人の会談でではメジャーで主流になった「フライボール革命」についても話題になった。
フライを打ち上げた方が、ヒットになる確率が高いという理論。
一般的に打球速度が時速158キロ以上、打球角度が26度から30度に上がった打球が最もヒット、ホームランになりやすいと言われる。
それで大谷選手が成功していることを落合さんは「それで成功しているからそれでいいんだよ。だけど、他の選手にあれをしろ、とは言えない。」とも言っています。
その他で印象に残ったこと
掛布さんが、阪神には規定打席に到達している選手が8人もいる。
ということはほとんどメンバーが固定して戦ってきたのに、ヤクルトと競った後半の後半は、規定打席に到達していない選手を起用して、そして失速している、ということを指摘しました。
これは自分も「矢野監督の迷い」だと思っています。
選手の力量を信用し切れていない。
多分、前半戦の好調さも、矢野監督の中では理想の形ではなかったんでしょう。
だから後半になって、梅野や佐藤、サンズの調子が落ちるとここ幸いと他の選手を使い出し、元に戻そうとしなかったのは、前半戦の成績を信用していなかったからでは、と思っています。
しかし、落合さんの理論は聞いていても非常に面白いし理にかなっていますね。
落合さんが阪神の監督になることは多分絶対にないと思いますが、少なくともあれだけの理論を持っている人が監督になればいいな、と強く思った二人の会談でした。
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