阪神・原口文仁のすべて初めて綴った ブレーク、大腸がん、感動復活、球宴2戦連発…「僕自身も原点に戻れる一冊」

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阪神・原口文仁捕手(29)の初の著書『ここに立つために』(ベースボール・マガジン社、税込1650円)が29日に発売される。28日に取材に応じ、思いを語った。「帝京魂」を胸に宿した高校時代、けがに苦しんだプロ入り後、そして2019年1月の大腸がん公表と手術-。奇跡のような半生を改めて振り返り「使命」と願いが込もった一冊になった。

「原口のすべて」が読める本だ。奇跡としか思えないような出来事の一つ一つと、手を差し伸べてくれた一人一人を思って初めてペンを執った。

「世の中にはたくさんの本があって、その中の一冊に過ぎないですけど、この本がきっかけになったとか、励みになったとか、読んでいただいた方の人生の中でほんの少しでも前を向くきっかけになったり、感じていただけるものがあったら、僕自身、この本を出した意味があると思う」

2016年に育成枠から支配下再登録を勝ち取り、シンデレラボーイとなった。19年1月に大腸がんを公表、手術。抗がん剤治療も続けながら6月に復帰戦安打とサヨナラ打、7月には球宴での2戦連続本塁打。不屈の闘志で、何度も列島を震わせた。劇的なその歩みを初めて振り返った。

「伝えたいことだったり、経験したこと、記憶に残っていることはしっかり伝えられていると思いますし、年月が過ぎていろいろ忘れていく中、こうやって形に残すことができたと思います。僕自身も何歳になっても原点に戻れるような一冊になっていると思います」

病気で苦しむ人やチャリティー活動への思い、がんの早期発見への願いも記した。出場機会が限られた今季は打率・204、0本塁打、3打点と苦しんだが、来季は「野手一本」で挑む。グラウンドに立ち続けることで果たしていく「使命」と、見せ続けていきたい姿勢を改めて〝宣誓した〟一冊でもある。

「もちろんタイガースファンの方々もそうですし、野球を知らなくて、病気のことをきっかけに僕のことを知ってくれた人もいると思うので、手に取っていただけたら、ありがたいです」

ヒッティングマーチの一節にある「ここに立つために」をタイトルとした。この本で改めて、支え続けてくれた人々と思いを一つにし、全力で生きることの大切さを体現し続けていく。

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