2回目の「新コーチに聞く」は、中日から新たに加入した工藤隆人2軍外野守備走塁コーチ(40)。「一方通行にならない」ことが指導の理念で、選手との対話を大事にしている。秋季練習を見て、チームの走塁に対する意識の高さや、大山、原口の練習姿勢について熱く語った。
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-秋季練習を見て、感じることは。
「(就任会見で)言った通り、走塁の意識がすごく高い。ベースランニングひとつ取っても、選手個々の意識が高いから、すごいやりがいというか、いいものが見れてるなと思ってます」
-特に意識の高さを感じる選手は。
「中野拓夢とか、海(植田)とか。スペシャリストの選手の走塁は目を見張るものがある。意識も高いし、能力はすごい高い。人のものを盗もうという強い意欲もあるし、何かを得ようとするっていうのが、目に見えて分かる」
-中日と比較して。
「良い悪いは別として、一人一人の走塁に対する意欲は、阪神はすごいなと思いますね。各チームで(練習量などが)違ってくるのは当然なんですけど、一つ一つの練習のやり方、意識の仕方が高く感じますね。何かを得てやろうという気持ちが伝わってくる」
-大山や原口が本格的に外野へ挑戦している。その姿を見て。
「彼らは、さっきも言ったけど、取り組む姿勢が素晴らしい。何かを吸収してやろうって気持ちが伝わってくる選手で上達も早い。できないこともあるんだけど、できなくてもやろうと取り組んでる姿勢がすごいですね。身につくのも早いんじゃないかなって、感じますね」
-原口は若手に交じって練習している。
「素晴らしいですね。あの年齢になって、貪欲に技術を追求するというのは本当にかがみですよね。それはうまい下手は別として、そういう選手って少なからず成長しますよね、絶対。みんなにそういう姿を見習ってほしいです。素晴らしいと思います」
-大山も内野手をやりながら外野の練習もしている。
「朝は早出で内野ノック。(全体練習が)終わってから、また個別で外野の守備練習。こんだけできる選手もなかなかいないと思う。そういう姿勢は見ていて、楽しくなってきます。すごいなって、単純に」
-井上を今季見ていて感じていたことは。
「スローイングに関しては、強いものも持ってるし、正確性もある。ただ、最後の球際。自分の守備範囲の最後の部分が少し弱いって感じたので、そこを意識してやっていけばいいのかな」
-走塁と守備で目指したいものは。
「目指したいっていうのはない。目標って決めたら厳しいと思うので。選手個々が目標を決めていると思う。その目標に向かって一緒に頑張っていこうと、それしか考えてないですね」
◆工藤 隆人(くどう・たかひと)1981年3月30日生まれ、40歳。青森県出身。現役時代は左投げ左打ちの外野手。弘前実から青森大、JR東日本を経て、2004年度ドラフト9巡目で日本ハム入団。巨人、ロッテ、中日と渡り歩き、18年現役引退。通算成績は635試合、打率・254、1本塁打、49打点。19年は中日1軍外野守備走塁コーチ、20年から2軍で同職を務めた。
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