先発転向を目指す阪神・及川雅貴投手(20)が22日、カーブの精度向上を今オフのテーマに掲げた。矢野監督からも「一つポイントになってくる」と課題に挙げられた球種で、理想は日本シリーズ第2戦で完封勝利を記録したヤクルト・高橋。150キロ超の真っすぐを生かすための遅球を磨き、高卒3年目の来季は黄金世代の先頭に立つ。
先発挑戦が正式決定し、及川の心は燃えさかっている。
ロッテ・佐々木朗、オリックス・宮城、ヤクルト・奥川…。大舞台で光り輝く同学年投手の姿を見て、さらに闘志はメラメラだ。絶対に負けたくない-。飛躍を期す来季へ、もうやるべきことは決まっている。
それは「中継ぎの時は選択肢にあまりなかった」というカーブの精度向上。150キロ超の真っすぐに遅球がカウント球として加われば、投球の幅が広がる。長いイニングを投げるためには必要不可欠な部分でもあり、「もっともっと磨いていけたらなと思います」と自覚は十分だ。
理想はヤクルト・高橋が投じるカーブ。21日の日本シリーズ第2戦をテレビ観戦し、完封勝利を挙げた左腕の投球を目に焼き付けた。「腕が緩まずに120キロ前後のカーブがいっていたので。自分も球速的には変わらないですけど、やっぱり腕の振りが全然違うなとすごい感じました」。
以前からカーブの習得指令を出している矢野監督は「緩急って嫌なバッターも出てくる」と自身の捕手経験を踏まえて有用性を確信する。さらに「(及川は腕が)横振りになっちゃうから。カーブは肘の位置が高くないと投げられない。投げ方も良くなる」ともう一つの狙いを明かした。
また指揮官も高橋の遅球に注目しており、「本当にいいカーブを投げる。腕を振って投げないとダメだから」と理想像と重ねる。「どれだけ習得できるか。一つポイントになってくる」。及川の可能性を信じ、期待した。
今季は中継ぎで39試合に登板して防御率3・69。貴重な経験を糧に、この日の秋季練習でも来季に向けた鍛錬に明け暮れた。前夜は高橋に加え、同学年の宮城の投球にも凝視し「タイプが違うからこそ何か得るものがあると思います」と刺激を受けた背番号37。がむしゃらに、不断の努力で新境地を開いていく。
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