阪神・原口文仁捕手 シート打撃で好調

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目指せ、虎のミラクル男――。阪神・原口文仁捕手(29)が19日の阪神秋季練習(甲子園)で行われたシート打撃で2打数2安打。今オフ、捕手から野手への転向を目指す背番号94は左翼、一塁の守備にも就き、無難な動きを披露した。

チームの絶対的な正妻・梅野、シーズン最終盤から存在感を見せた坂本の台頭もあり、今季は代打での出場がほとんどだった。生え抜き選手としては最年長の立場になったが「自身の可能性を広げるために」こだわりのあった捕手のポジションから離れることを決断。「外野だと距離感や打球の質がまったく違う。数を多く捕って経験しないと」とプロ12年目のオフも懸命に白球を追っている。

そんな29歳の再出発にエールを送るのが北川博敏打撃コーチ(49)だ。自身も捕手として1994年のドラフトで阪神から2位指名されたが、現阪神監督の矢野からレギュラーの座を奪うことができず、2000年のオフに近鉄へトレード。梨田監督に打力を評価され、伝説として語り継がれる「代打逆転サヨナラ満塁優勝決定本塁打」を移籍初年度にマークし全国的な知名度を獲得した。

「俺はただキャッチャーを〝クビ〟にされただけだから」と謙遜する同コーチも04年から捕手の座を捨て内野手に専念した過去を持つ。「原口はとにかく向上心の強い男だからね。大好きな野球をいっぱいに楽しみたい。取り組みたいという気持ちが伝わってくるタイプ。得点圏、打点にこだわれるような打者へ成長してほしい」と後輩の背中を押している。

「代表的な例を挙げれば飯田(ヤクルト)さんや秦(ヤクルト)さんなんかになるけど〝元捕手〟の選手は内外野に転向しても器用に守備をこなすパターンが多い。矢野さんなんかも外野や三塁をやっていた時期があったけどうまかったからね」と守備面でも〝問題なし〟の姿勢を強調した。

故障からの育成落ちを経験するも、16年には支配下へ復帰。19年にはステージ3bの大腸がんを患ったが見事に大病を克服し戦線に復帰した不屈の男・原口。〝北川師匠〟のお株を奪うミラクルアーチを来季、連発できるか。

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