阪神 FA権取得の中日・又吉を本格調査中

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阪神が国内フリーエージェント(FA)権を取得している中日・又吉克樹投手(31)の本格調査に乗り出していることが17日、分かった。球団は新外国人を含めた戦力整備に着手。中継ぎ陣のさらなる強化へ向け、リーグ屈指のサイド右腕に白羽の矢を立てた。すでに権利を行使した場合に備え、水面下で準備中。複数球団との争奪戦となる状況も想定し、速攻アタックも視野に入れて最終調査に入る。

猛虎が食指を動かし始めた。新外国人の獲得、主力選手の慰留を最優先課題に、球団は来季に向けて全力を挙げた戦力整備に本格着手。並行してFA選手の動向にも熱視線を注いでいる。注目の存在は、中日・又吉だ。

「(権利行使となれば)確実に複数球団が動きます。そこに向けて(複数球団が)本格的に調査をしていると聞いています」

球界関係者は水面下での動きを明かし、見通しを立てた。この日までに複数球団が又吉の獲得調査に乗り出していることが判明。当然ながら阪神も、右腕が今年7月に国内FA権を取得した時から調査を進めている。

12球団最多の77勝を記録しながら、今季もリーグ優勝には手が届かなかった。その要因の一つはシーズン終盤の得点力不足に求められる。ただ敗因はそれだけではない。ブルペン陣の駒不足も、チームの勝敗を大きく左右した。最大の強みである守護神スアレス、セットアッパー岩崎の「勝ちパターン」へとつなぐ顔ぶれが安定感を欠いた。それが来季への課題として残る。「来季に向けていい感じで入って行きたい、いいチーム編成をしたいというのは毎年そうですけど、今年も強く思っております」。嶌村球団本部長も補強に前向きな姿勢を示す。

そして投手陣の補強ポイントに合致する存在の一人が又吉だ。150キロ前後の直球と鋭いスライダーが武器のサイド右腕。入団8年目の今季もチーム最多66試合登板3勝2敗、8セーブ、33ホールドで防御率1・28を誇った。8年間で通算400試合登板とタフネスぶりも折り紙付きだ。

通算防御率2・86が物語るように、堂々たる成績を残してきた右腕だが、なぜか阪神相手には苦戦が続いていた。通算対戦成績は70試合4勝8敗、防御率4・54。仮に猛虎の一員となれば自らの成績アップにも直結する。まだ31歳と若く、今後の期待度も十分だ。

今季推定年俸4200万円の又吉はCランクと見られ、その場合は補償が不要となるため、仮にFA権を行使すれば複数球団が獲得に乗り出す可能性が高い。来るべき時に備え、阪神も静観姿勢を保ちつつ最終調査に入った。勝負の22年シーズンへ向け総力を挙げて戦力整備を進める。

◇又吉 克樹(またよし・かつき)1990年(平2)11月4日生まれ、沖縄県出身の31歳。西原、環太平洋大、四国・香川を経て、13年ドラフト2位で中日入り。1年目の14年から3年連続60試合登板するなど、主に救援で活躍。17年11月のアジアプロ野球チャンピオンシップ日本代表。1メートル81、74キロ。右投げ右打ち。

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